家族をつなぐ意外な方法

みなさん、家族と過ごす時間はじゅうぶんにとれていますか?


同じ屋根の下で生活していても、家族それぞれ、仕事、学校、家事など忙しいですよね。ましてやスマホゲーム、テレビ、Netflix、YouTube、SNSなど・・・エンタメの多様化で、個々がそれぞれ楽しめることも多いこのご時世。家族全員がわざわざ集まって、まとまった時間を同じ部屋で一緒に過ごすのも、一苦労かもしれません。

家族をつなぐ意外な方法

バラバラに過ごす事は、別に悪い事ではありません。そう、現代では家族バラバラになって当たり前なのです。でも、家族がバラバラになっている時間ばかりだと、なんだか少し罪悪感がある方もいるでしょう。理屈抜きにそんな気持ちになるのも、それは家族だから。


そこで!たまには家族と楽しい時間を共有したいー!という方に、あだち先生からオススメの「家族を繋ぐ意外な方法」が、あります!


「家族全員でアナログゲームをプレイすること」と言いたいところですが、すこし違います。


「初めて開けるアナログゲームのルールを家族全員で解読すること」これが方法です。

家族をつなぐ意外な方法

遊んだ事がなく、ルールも全く知らないアナログゲームを購入して、箱を開封し、まっさらな状態で説明書を読んで、ルールを紐解く作業を家族全員で行うということです。

家族をつなぐ意外な方法

「ん?それだけ?」と思われるかもしれませんが、1度でもアナログゲームのルール解読をしたことがあれば、その大変さは分かるはず。例えば、UNOなどは物心ついた時にはもう遊べていたゲームではありませんか?自分でルールを読んだ記憶がありますか?


昔ながらの定番ゲームのルールはなんとなく知っている人が教えてくれる。そんなものです。近代的なアナログゲームでさえも、すでにルールを知っている人が教えてくれる、YouTubeで説明してくれているなど、ルールを手軽に知るチャンスがあります。


それらの便利な手段を断ち切り、初めて開けるアナログゲームのルールを家族の力だけで読み解く。こんなことにチャレンジしてみるのはいかがしょうか?
具体的なルールの読み解き方を簡単にご紹介します。


まずは、ただ文章を読みあげる人を1人決める。読む人は読むことに集中しているので内容が頭に入ってこない事も多いです。聞いている全員が理解して、読んでくれている人に再度説明して、を繰り返しながら先に進めます。


ここで、読んでくれている人へルールの説明ができない場合は、他のみんなの理解ができていないと分かるので、この役割分担スタイルは、実はとても効率がよく、みんなでおさらいをしているようなものです。読み役の人は、概要、内容物、準備など、説明書に沿って、そこに記載されている全ての文章を読みましょう。


よく分からない場合や、行き詰まってしまった場合は、「いったんやってみよう」と、一度プレイしてみるのもいいですし、みんなの解釈を話し合ってもいいですね。「カードを選んで渡すってことは、自分の好きなカードを見て選ぶってことだよね?」「ランダムってことじゃない?」「もう1度説明書読んでみよう」という具合に、説明書を再度読み直すのも大事です。よく確認すると大事なところを見落としていたり、違うページに書いてある場合もあります。


私は、アナログゲームのハードルの1つにルール解読があると思います。しかし、この大変なことこそが、アナログゲームの特徴であり、肝となる部分です。ゲームのルール解読は、誰かがやってくれる仕事とは思わずに、全員が当事者意識を持って欲しいと思います。


この家族みんなでルール解読をするのは例えるならば、山登りです。「大きな山に協力してみんなで登る」そんなイメージです。

家族をつなぐ意外な方法

得意不得意もあるし、みんなに付いていくだけ。そんな人もいるかと思いますが
山はタクシーで連れていってもらえるものではなく、自分の足で登りきる必要があります。それと同じで、結局最後は自分でルールを理解しながらゲームを遊んで楽しめるかどうか、なのです。これは山登りだけでなく、仕事のプロジェクトなど色々なことに当てはまります。


では、実際に山登りしよう!新規プロジェクトを起こそう!おじいちゃん、おばあちゃんも誘おう!ってやると、どんどん絆が深まりそうですが、実際家族でそれをやるのは、とても大変ですよね。それを、家の中で擬似的に体感できるのが、
テーブル上で行う、アナログゲームなのです。


しかも食後の1時間で、よし!今日はみんなで『カルカソンヌ』(ドイツの名作ゲーム)を登るか!という具合にすぐに始めれます。


このテーブル上の大イベントを年に数回やるだけでも、家族が1つになる瞬間ができるのではないでしょうか。ゲーム中だけひとつになっても、またバラバラな生活に戻ってしまうかもしれないですが、「ゲームを通じて、年に何回か、ひとつになっている」のと、「1年間、一度もひとつになっていない」のには、大きな差があると思っています。


アナログゲームの本当の魅力は、誰でも簡単にみんなで楽しく遊べるということではありません。楽しむのにそれなりに負荷がかかり、それを乗り越えるという体験こそが、人と人とを繋ぐパワーを産むのです。


無理して人とつながる必要もないようなこんな時代に、コミュニケーションにおいてある意味トップクラスで難易度が高いかもしれない、「家族間で、つながる」ことができるようになること。


それができれば、家族だけでなく、他の誰とだってつながれるような自信がつくかもしれません。アナログゲームが、あなたの周りのコミュニケーションを活発にするきっかけになれば、幸いです。